ピッチャーについて

目次

ついに、少年野球チームに入団した貴方のお子さん。
これからどんな選手に育つのか、夢は膨らむばかりです。
ここからは、特徴・求められる能力・練習法について、ポジション別に話を進めていきましょう。

ピッチャーの特徴

いうまでもなく、ピッチャーは野球の花形ポジションです。
よって、ピッチャー志望の子は他のどのポジションよりも多いというのが少年野球チームの現状です。
そんな中、いくつかの上部大会では、登板過多による怪我を防止するため、ダブルヘッダーの連投禁止やイニング制限など細かいルールが整備されています。
その結果、どのチームもピッチャー(投げられる子)を3~5人用意しています。

野球のプレーは、審判のコールの後、ピッチャーがボールを投げるところから必ず始まります。
また、プロ野球のTV中継を見ても、かなりの割合でピッチャーの映像を映し出しています。
つまり、ピッチャーは映画で言えば“主役”を務めるわけですから、それなりの自覚と実力も求められます。
勝敗の行方も、多くの場合ピッチャーの出来不出来によって決します。
そのため、たとえ小学生であっても、ピッチャーには強いハートが求められます。
勝てばピッチャーの手柄、負ければピッチャーの責任”という昔から伝わる総括の図式は今も根強く残っており、小学生であっても勝敗について大きなプレッシャーを背負います。
同じようにチームのキャプテンにも、強いハートが求められます。
チーム事情によりキャプテンがピッチャーを務めることもありますが、これは、そのチームとしてハートの強い人材が不足していることが兼務の原因と考えられ、決して本人が“両方やりたい”と言ったのではないはずです。

また、ピッチャーはマウンド上で孤独だと言われます。
メッタ打ちに遭ったり、ストライクが全く入らなくなって押し出しを連発しても、監督が交代を告げない限りピッチャーはマウンドを降りることを許されません。
“懲罰”の意味でずっと投げさせられ、マウンド上で泣いている子供も過去に何人か見かけました。
これは“児童虐待”というよりも、“パワハラ”に近いと思います。

ピッチャーに求められる能力

少年野球に向いている子・向いていない子の項でも書きましたが、私のチームではストライクの取れる子をピッチャーにします。
球速は速いに越したことはありませんが、球の速い遅いはこの際あまり関係ありません。
重要なのは、“いつでもストライクが投げられる”能力です。
負ける試合というのは、打たれて負けることより、フォアボール連発や致命的なエラーで負けることの方が圧倒的に多いのです。
またフォアボールは、守っている他のメンバーの士気を著しく低下させ、ゲームの流れも悪くするので、どの監督も打たれることよりも嫌がります。
そもそも、プロ野球のバッターじゃあるまいし、ど真ん中に連投してもそうそう打てるものではありません。
ましてや連打なんて運が悪かったというレベルです。
フォアボールが引き金となり、エラーでランナーをためてしまい、長打をズトンと打たれる…という大量失点が最悪の負けパターンです。
だから“簡単にストライクが投げられるハートの強い子”を監督は探しているのです。

ピッチャーの練習法

ピッチャーに求められる能力が、“ストライクを投げる”ことと“強いハートを持つ”ことならば、それを目標に練習しましょう。
ストライクを安定して投げるためには、安定した投球フォームが必要です。
安定した投球フォームを身につけるにはシャドーピッチング(鏡に向かって擬似投球する)が有効です。
同じフォームで何球も投げられているかどうか、鏡でチェックしましょう。
次に投球フォームですが、横手投げや下手投げはダメです。
小学生のこの時期から、肘に余計な負担がかかるからです。
上手投げやスリークオーターの場合は、肘をなるべく高く上げるフォームになるように心がけましょう。
家でシャドーをやる場合は、親御さんや兄弟にチェックしてもらうといいでしょう。
実際にやってみるとわかりますが、小学生が同じ投球フォームで何十球も続けて投げるのは至難の業です。
足腰の鍛錬が足りないため、ぐらぐらしてしまうのです。
よって本格的に勝てるピッチャーを目指すのなら、この他に朝晩のランニングも欠かせません。

強いハートというのは、もって生まれた部分が大きいので、なかなか練習で強化というわけにいきません。
そこで、そんな状況における練習としては、“野球の試合を観て学ぶ”ということをお勧めします。
プロ野球、大学野球、高校野球等、TVから流れてくる野球の試合を、片っ端から観るのです。
そこには何人ものピッチャーが登場します。
その先輩ピッチャー達がマウンド上でどんな所作をしているか、どんな表情をしているかに注目して観戦することは、“野球を知る”ことを通して、勝負に対する強いハートを養うことに繋がります。

その他、ピッチャーはチーム練習におけるフォーメーション練習の量も多くなります。
バント処理、1塁方面のゴロに対する1塁ベースカバー、外野からの返球に対するカバー(3塁、本塁)などは、上部大会を勝ち抜くために避けられない練習です。
さらに、牽制球(1塁・2塁・3塁別)についても野手との連携が必要であるため、これらの練習に多くの時間を割きます。

まとめ

ピッチャーの親はつらいです。
特に、大事な試合で相手チームに痛打された時や、全くストライクが入らない時の心境は、“針のムシロ”という表現がぴったりです。
この苦しさは、他のポジションの親御さんが感じるそれとは別の次元であると言えます。

でも、“逆もまた真なり”と言うこともできます。
私の子供がパーフェクトゲームを達成した翌日、会社の朝礼スピーチで自慢してしまったくらいです。
いくらバカ親と言われようが構わないほど、誇らしい気分に浸らせてくれるのもまたピッチャーなのです。