ノックについて

目次

ノック(knock)は、和製英語です。
アメリカでは通じません。
そのかわりに日本で言うノックのことをアメリカでは、fungo(ファンゴ)とかfielding practiceといいます。
よって、アメリカでノックバットのことはファンゴバットといいます。
少年野球におけるノックは、大きく二つに分かれます。
シートノックと外野ノックです。

シートノック

シートノックというのは、子供を実際の守備位置に配置して行うノック練習のことです。
シートノックでは捕球の練習だけでなく、ベースカバーや外野手からの返球のカットなど、フォーメーション全般の確認を行います。
その他、ダブルプレーの練習も併せてここで行います。
キャッチャー前のボテボテのゴロの対応についても、シートノックの中で行います。
この時ノッカーは、バットを短く持ってコツンと当てたり、手で転がしたりとその経験によって様々な打ち方で対応します。

外野ノック

外野手へのノックをシートノックの中で行うと、待ち時間が長くなってしまい非効率なので、大抵は別に行います。
そして、内野のシートノックが一通り終わった後で外野も合流して、総合的なシートノックをやって終了、というのが一般的な試合前のシートノックになります。
外野ノックでは、定位置だけでなく前後左右にノッカーが振った打球に対して、外野手は落下点に素早く入ってキャッチします。
また、試合前にはやることはありませんが、合宿などにおいては、“アメリカン・ノック”という外野手特有のノックをやるチームもあります。
これは、まずレフトかライトのどちらかのポジションで、定位置より少し深めのエリアに外野手を全員集めます(仮にレフトから開始するとします)。
そしてセンターに向かって一人ずつ走り出します。
ノッカーは頃合いを見計らってセンター辺りにノックを打ちます。
これはフライでもゴロでも構いませんが、“捕れそうで捕れない”辺りに適当な強さで打つのが、ここで必要とされるノッカーの技術になります。
捕ったボールは返球せずに内野に向けて転がして、すぐさまライトポールに走ります。
そして順番に行っていった結果、全員がライトに到着したら、今度は同じ事を逆方向に向かって行います。
ノッカーは、また頃合いを見計らってセンター辺りにノックを打ちます。
これを延々と繰り返すのです。
夏にこのアメリカン・ノックをやりすぎると、熱中症になるので要注意です。(ノッカーも危ないです。)

ノックの技術

ノックの巧拙は“トス”で決まります。
これは、テニスのサーブを打つ要領と似ており、トスがうまくあがらないと思ったような打球が打てません。
具体的には高すぎても低すぎてもダメで、自分が打ちやすいポイントから10センチくらい上げるのがいいでしょう。
ノックには右手でトスを上げる方法と、左手でトスを上げる方法があります。
右ノッカーの場合は、左手でトスを上げた方がコントロールし易く、右手で上げた方が速くて強い打球を打つことができます。
私の場合は左利きなので全て逆ですが、左手でバットを握って、右手でトスを上げます。
微妙なコースに打ち分けたいので、コントロールを重視でこのスタイルに辿りついています。

ゴロの打ち方

ゴロを打つ時はなるべく前足に重心をかけ、バットをやや斜めに上から下へ振リ下ろす感覚で打ちます。
よくボールの下を叩いて逆回転のような打球を打つノッカーがいますが、こんな打球が試合で飛んでくることはまずないので、はっきり言って時間の無駄です。
ボールの中心若しくは上側を叩いて、順回転で勢いのある球を打ちます。

フライの打ち方

内野フライはともかく、外野フライを打つためには相応の技術とパワーが必要です。
見た目ほど簡単ではないのです。
外野フライの場合は多少高めのトスを上げ、胸の高さくらいで、アッパー気味に振ります。
この時、しっかりと腰を入れて打つことが必要です。
感覚的には、後ろ足に体重を残したまま、下からボールをすくいあげるように打つ感じです。

キャッチャーフライの打ち方

ノッカーにとって、これがシートノックで一番の見せ場でしょう。
キャッチャーフライは、体を傾けて角度で打ちます。
上を見上げる形でボールの下を打って、逆回転になるように打ち上げる感じです。
真上にスイングするよりは斜め上にスイングした方が、ミート率も成功確率も高くなります。
観客が多いとかなり緊張したりあがったりしますが、何度も経験を積むことでノッカーはこの試練を克服します。
一発でキャッチャーフライを成功させるノッカーに対しては、最大級の拍手でスタンドの皆さんが讃えます。

まとめ

高校野球の公式戦においては、試合前に必ずシートノックをやっているので一度観に行くといいでしょう。
そこで繰り広げられる世界は、ほとんど“ショー”と呼べるようなもので、軽快なリズムと華麗な技術で時が流れます。
巷には“シートノックを見れば勝敗がわかる“という高校野球通もいるほどです。
また、シートノックを受けている選手とノッカーの他にも、試合に出られない選手達が裏方で分業してサポートしていることも、必ず観てあげてください。野球って深いですね。