vol.7 《足関節・足部その3》 コンディショニング
今月は足関節(足首)や足部(足)のコンディショニング、つまり、足首のケガをした場合にどうしたらよいか、またケガを予防するための足首のまわりのトレーニングについてお話ししましよう。
【グランドや家庭で行うケガの処置】
1.足関節(足首)の捻挫でいためやすい部位(図1)
足首の捻挫には、足を内側にひねることによって外側にある靭帯(じんたい)をいためる場合(図1a)と逆に足を外側にひねることによって内側にある靭帯をいためる場合(図1b)の2パターンがあります。よく起こるのは、図1aの捻挫です。
2.後遺症(こういしょう)の問題(図2)
捻挫は日常でもよく起こり、いたみが軽いことも多いため、軽く考えることもありますが、十分な治療を行わなかった場合には、捻挫をくりかえし、いたみが出たり、足首がかたく(図2a)なったりします。また、反対にぐらぐらする不安定な感じ(図2b)が残ることもあります。これらの問題は、その後のプレーに悪い影響を与えかねません。
3.グラウンドでの応急処置について
実際に捻挫をしてしまったら……グラウンドなら、すぐに監督やコーチなどに伝えて、RICE(ライス)と呼ばれる応急処置を行いましよう。RICEとは、安静を意味するRest(レスト)、以下Icing(アイシング=冷やすこと)、Compression(コンプレッション=圧迫)、Elevation(エレベーション=拳上)のそれぞれの頭文字をとっています。Restはむりをせず、ケガをした部位をさらにいためることを避けます。Icingは、氷などを使用してケガをした部位を冷やし、炎症をおさえる。Compressionはケガをした部位を押さえつけ、はれが少なくなるようにする。Elevationも、はれを少なくするために、ケガをした部位を心臓(しんぞう)よりも高い位置に置く……。捻挫だけでなく、打撲や肉ばなれなどでもRICEを行ってください。
4.RICE後の対応
RICEを行った後は、たとえ程度が軽くても、必ず医療機関でお医者さんの診察を受けましょう。捻挫の程度によって、必要な対応は違ってきます。例えば、テーピングなどを用いた固定や安静、ケガをした部位に体重をかけないための松葉杖の使用、電気治療やトレーニングなどといったリハビリテーションを行いながら、野球への復帰を目指します。
5.家庭での日常生活上の注意
家庭では、以下のような注意事項があります。(1)足首を内側にひねったような状態や、つま先立ちのような無理に足首を下に向けた状態は、いためた靭帯に負担をかけるため、このようなポジションにならないように(2)捻挫をしてから48〜72時間くらいの間は炎症が続いているため、家庭でもRICEを続けて行う。とくにIcingを積極的(せっきょくてき)に行う必要があり、ケガをした部位をあたためない。つまりお風呂はひかえて、シャワーで軽く流すくらいにする。そして経過を見ながら、足首や足部のリハビリテーションを行い、野球への復帰やケガの予防に努めましよう。
【ケガを予防するためのコンディショニング】
1.かんたんにできるストレッチ
筋肉の柔軟性、関節のやわらかさを向上させるには、ふくらはぎのストレッチを。ストレッチングボードを使用したり(図3)、かべなどに手をついて足を前後に開き、ふくらはぎをのばします。かかとを上げないように注意。後ろ足のひざをのばした状態では、ふくらはぎの表面にある筋肉(ひふく筋)をとくにストレッチできます(図4a)。歩幅を少しせまくして、後ろ足のひざをまげた状態なら、ふくらはぎの奥にある筋肉(ひらめ筋)をとくにストレッチできます(図4b)。
2.かんたんにできるトレーニング
ケガの予防には、足首のまわりを支える筋肉や、足の土踏まずなどのアーチとよばれる部分をつくる筋肉を強くする必要があります。ただし、みなさんのような成長期の選手たちにとって、強すぎる負荷は逆効果となる可能性がありますので注意が必要です。最初は抵抗をかけずに正しい動きを練習したり、負荷の弱いチューブなどを利用しましょう。
まず、つま先をまっすぐ前に向けて上のほうに動かす(図5I)。すねの前の筋肉のトレーニングになります。同様に、下のほうに動かすIIは、ふくらはぎの筋肉のトレーニング。注意点としては、つま先を外側に向けすぎたり、内側に向けすぎたりしないことです。
IIIは、つま先を外側に向ける運動です。片足でも、両足同時に行ってもかまいません。ふくらはぎの外側にある筋肉のトレーニングで、とくに捻挫の場合、この筋肉の働きが悪くなってしまうことが多く、大切な工クササイズです。IVは、つま先を内側に向ける運動。ふくらはぎの内側にある筋肉のトレーニングです。ただし、捻挫の場合には、ケガをした部位の回復を確かめながら行いましょう。
図6は、足のアーチの働きに大切な筋肉の、グッパーエクササイズです。かんたんな運動ですが、足の指をしっかりとグーにしたり、足の指全体をしっかりとパーに開きます。また、足の指の運動を使って、タオルを自分のほうに寄せるタオルギャザー(図7)というトレーニングもあります。これらの運動では、足の指でグーをつくる以上に、しっかりとパーをつくることが大切です。最後に、つま先立ちで体重をかけるトレーニング(カーフレイズ・図8a)を行いましよう。つま先をしっかりと開き、親指のつけ根のあたりに体重をかけて、かかとをまっすぐに上げるように注意してください(図8b)。

おまけとして、足首だけでなく、ひざやおしりの筋肉など、足全体の筋肉のトレーニングとして、スクワットを紹介します。ひざとつま先はまっすぐ前に向け(図9a)、親指のつけ根のあたりに軽く体重をかけて(図9b)、すねを前に倒します。
【まとめ】
トレーニングで大切なのは、早く行うのではなく、しっかりと正しく動くことです。使う筋肉を意識し、正しい動きで10回3セットから始めてみましょう。今回説明したトレーニングは、足関節(足首)の捻挫だけでなく、足部(足)のケガの予防としても意味があります。ケガの予防には、日頃のトレー二ングのくりかえしが大切。リトルリーガーのみなさんがケガに負けず、すばらしいプレ−ができるようになればと思います。がんばってください。
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