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vol.10 肩とヒジは、弓のようにしなやかに

その3★コンデイショニング
講師…岡戸敦男 (財)スポーツ医・科学研究所

リトルリーガーのみなさんこんにちは。ここからは、肩・ヒジのケガを予防するためのコンディショニングについて勉強します。

1.姿勢(しせい)について

 ストレッチングやトレーニングを勉強する前に、まず自分の姿勢を確認しましよう。いくらストレッチをして体をやわらかくしたり、トレーニングをして筋力がついても姿勢がわるいとケガをしてしまいます。

 自分の姿勢を確認してください。その2で宮下先生もちょっとふれていますが、猫背の人はいましたか? 猫背になると図1bのように腕(うで)が上がりにくくなります。したがって、猫背の姿勢のまま投球をすると腕が上がりにくく、ヒジが下がった投球フォームになってしまいます(図1c)。ヒジが下がった投球フォームでは、肩やヒジに負担がかかりやすく、そのフォームで投球をくりかえすことによりケガをしてしまいます。

 姿勢は、練習のときだけ注意していてもなかなか直りません。日ごろから注意しておくことが大切です。

2.かんたんにできるストレッチング

<1>大胸筋(だいきょうきん)のストレッチング(図2a)
ここではケガを予防するためのストレッチングを勉強します。まず最初は、胸の筋肉のストレッチングです。この筋肉がかたいと猫背の姿勢になりやすくなったり、テイクパック動作が行いにくくなります。このストレッチングをするときの注意点は、ストレッチングをする腕と反対側の足を一歩前に出して、足で体重をささえるようにすることです。ストレッチングをする腕で体重をささえてしまうと、肩を痛めてしまいます。

<2>広背筋(こうはいきん)のストレッチング(図2b)
次に背中の筋肉のストレッチングです。この筋肉がかたいと腕が上がりにくくなったり、いわゆる“腕のしなり”が不足したりします。その結果としてヒジに負担がかかり、ケガをしてしまいます。

<3>前腕崩群(ぜんわんきんぐん)のストレッチング(図2c)
最後に前腕の筋肉のストレッチングです。この筋肉は、投球によりとてもかたくなりやすいです。かたいまま投球を続けていると、ヒジの内側が引っぱられてケガをしてしまいます。これらの筋肉は、日ごろからよくストレッチングをしてください。

3.かんたんにできるトレーニング

<1>肩甲骨周囲箭群のトレーニング

 最初は、肩の土台となる肩甲骨(けんこうこつ)を安定させる筋肉のトレーニングです。まず肩甲骨を外に動かす運動です(図3)。上向きに寝て、指を上につき出すように行います。このとき、体をひねらないように注意してください。

 次に、肩甲骨を内に動かす運動です(図4)。このトレーニングの注意点は、図4aのように肩の高さを変えないで肩甲骨を背骨に寄せることです。このとき、図4bのように肩が上がってしまい、いわゆる“肩をすくめた”状態にならないようしてください。肩すくめの姿勢では、投球フォームに悪い影響を与えてしまうからです。

<2>ローテーター カフのトレーニング

 ローテーター カフは、よくインナーマッスルともいわれています。ローテーター カフは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉からなります。この筋群の役割は、ひとつ目は筋の活動による関節運動です。そしてもう一つの重要な役割は、腕の骨を引きつけ、肩を安定させることです。

 最初のトレーニングは、腕を横にあげる外転(がいてん)トレーニングです(図5)。このトレーニングの注意点は、図5bのように肩が上がってしまい、いわゆる“肩をすくめた”状態にならないようにすることです。肩すくめの姿勢では、投球フォームに悪い影響を与えてしまうからです。

 肩すくめの姿勢になると、図6bのように腕が上がりにくくなります。したがって、肩すくめの姿勢のまま投球をすると腕が上がりにくく、ヒジが下がった投球フォームとなってしまいます(図6c)。ヒジが下がった投球フォームでは、肩やヒジに負担がかかりやすく、そのフォームで投球をくりかえすことによりケガをしてしまいます。

 次に、外旋(がいせん)トレーニングです(図7)。外旋トレーニングは、脇をとじてチューブを外に引っぱります。このトレーニングでは、図7bのように脇があいてしまうと、外転トレーニングのようになってしまうので注意が必要です。

 最後は、内旋(ないせん)トレーニングです(図8)。内旋トレーニングは、脇をとじてチューブを内に引っぱります。このトレーニングの注意点は、図8bのように脇があかないようにすることです。

 ケガを予防するため、トレーニングをすることは大切です。しかし、そのトレーニング方法が間違っていたら、悪い習慣(くせ)をつけてしまいます。そして、投球時に肩やヒジに負担がかかり、ケガをしてしまいます。ひとつひとつのトレーニングを正しく行い、ケガをしない体づくりをしてください。みなさんが、ケガなく満足するプレーができることを願っています。



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