少年野球の審判講習会とはどんなイベントか

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記事の目次

お子さんを少年野球チームに預けている貴方。新人お父さんコーチとしても頑張っていますね。そろそろチームの監督や審判部長から「今度の審判講習会に参加してみたら」と言われる頃です。
では、少年野球における“審判講習会”というのは、どういうイベントなのでしょうか。

審判講習会とは

地域の少年野球リーグでは、主に春秋などに定期大会が実施されますが、その運営をしていく上で審判の存在は不可欠です。必然的に各チームは数名の審判供出を求められることになりますが、そこにはレベルの低い審判が多いことから、“審判技術の向上”を狙った審判講習会がリーグ主催で開催されます。但し、個々のチーム事情で練習試合を行ったり、地域外のオープン大会に参加することもあり、それぞれのシーンで審判をする局面があることから、単位団の中でも審判講習会は行われます

審判講習会の種類

審判講習会は、講師も生徒も貴重な時間を割いて開催されるので、目的を明確にして適切な対象者に対して実施することが肝要です。

初級:審判未経験
中級:審判経験10試合未満
上級:審判経験10試合以上

対象者についての切り分けは、大まかにこんなところです。
※主審に特化した講習は別途行われるのが一般的です。

審判講習会:初級

ここでは、“審判としての服装/持ち物の確認”、及び“審判としての基本的な心得”を学びます。

まず、各リーグで定められた帽子/審判着/審判ズボンを正しく着用しているか。小道具(インジケーター/刷毛)を持っているか上着はブルーか紺のシャツを着用しているかズボンはグレーか紺のものを着用しているか靴は無地の黒を履いているか。着こなしは審判として適当か。見た目は審判ズボンに見えるが、よく見るとスウェット(スエット)だったりしていないか、帽子はきちんとリーグ指定の審判帽をかぶっているか…などをチェックします。初級の場合は、まずこれらのどこかのチェックでひっかかり、講師に指導を受けることになります。“外見はダメだけど上手な審判”というのを私は見たことがないので、皆さんも注意してみてください。

服装/持ち物の確認が済んだら、以下のような“審判としての基本的な心得”を学びます。

  • 規則書/競技者必携を各自読み込むこと。ルールを知らずして審判は出来ません。これは日頃の自習になります。
  • 安全が第一であること。これは子供の安全は当然として、審判をやる大人の安全も重要だということです。審判をやると打撲や捻挫は当たり前、当たり所が悪くて骨折した人もいるので要注意です。
  • 常に公平なジャッジを心がけること。どちらかのチームに偏った判定はもってのほかです。自信を持って公平で解りやすいジャッジをすることで、両チームから信頼と賞賛を頂けます。
  • 審判員は“審判団”だということ。プレーヤーだけでなく、審判も連携プレーが非常に大切です。塁審として主審からスイングの判断を求められたり、打球が外野手の間へ抜けた場合に発生するローテーションの動きなど、覚えることは山のようにあります。
  • 試合のスピードアップに努めること。選手の動きを速めるだけでなく、審判各自の機敏な動きでゲーム全体を活性化させ、トータルで試合時間の短縮に努めます。

審判講習会:中級

もう何回か塁審を経験している人が対象なので、ここではより具体的に、1塁/2塁/3塁別に、審判としての立ち位置と基本姿勢、基本的な動きについて学びます。

通常の立ち位置はどこで、送球があった場合はどのように動き、どのタイミングでジャッジするのかというのは、塁審をやる上での基本中の基本なので時間を割いて講義します。
ここでのポイントは、以下の通りです。

  • “審判は石ころと同じ”なので、なるべく選手の邪魔にならないポジショニングを心がけること。
  • タッグプレイ(タッチプレイ)はできるだけ近くで確認し、フォースプレイは極力離れて見るようにすること。
  • ジャッジを下す時は止まって腰を落としてから下すこと。走りながらのジャッジはダメ。

ジャッジを早まってはいけません。特にアウトのコールは、そのプレイ完了後ひと呼吸置いて、“ちょっと遅いかな”と感じるくらいのタイミングが丁度いいと思います。

審判講習会:上級

ここでは、複雑な判定や状況判断について、ケーススタディで学びます。これは、グランドでの実地というよりも、ノートにとって身につける類の講習なので、室内での座学となります。時にはビデオなども取り入れて、様々な事例における審判としての適切な対応を学びます。例としては以下のようなものがあります。

  • 監督からのクレーム対応
  • 危険球対応
  • 外野に打球が飛んだ場合の“ローテーション”と呼ばれる動き
  • ボークの判定

まとめ

長年地域で審判をこなしていると、その経験の中で“信用”も積み重ねていきます。
“信用”というものは、失うのは一瞬ですが、勝ち得るのには大変な時間がかかります。
“信用のある巧い審判“が仕切る試合は、引き締まります
目の肥えた観客から審判に対して歓声が飛ぶこともありますが、あくまで主役は子供なので目立ちすぎは禁物です。

審判講習会で、様々な知識も習熟して成長した貴方。
難しい規則を暗記して飲み屋で薀蓄するよりも、普通のプレイにおける判定の正確さの方が何倍も大事であることを胸に刻みながら、自信に満ちた厳正なジャッジをしてください。

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