少年野球における会費の用途と集め方

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記事の目次

貴方のお子さんが少年野球チームに所属している期間は、毎月、会費(部費)の納付が必要です。
塾やお稽古事の場合は“月謝”がついて回りますが、それらと“会費”が決定的に違うのは、教える立場の人間(監督・コーチ)に対しては一銭も報酬が支払われない…ということです。

会費の使途

それでは、少年野球チームで徴収された会費というのは、一体どこに流れて行くのでしょうか?
基本となる使い道としては、チームが練習するグランド代・各種大会のエントリー費・ボール代・ジャグに入れるお茶代…が主なものとなります。
その他、私のチームでは練習終了後に毎回お菓子を配っていますので、そのような雑費も年間ベースで考えるとバカになりません。

会費の相場

毎月2~3,000円/1名というのが一般的な軟式野球チームの会費です。
これが硬式チームになると月に数万円/1名というところもあるので、入団時には充分注意してください。
その他、“兄弟割引”(同一時期に2人以上の子供がチームに在籍すると、2人目以降の会費が減額される)という特典を採用しているチームもありますので、該当する方は会計担当者に確認してみるといいでしょう。

会費の集め方

どのチームも、会費用に銀行口座を開設しているはずです。
従って、集金の手間や安全性を考えると、本来であれば“銀行振り込み”や“口座自動引き落とし”が最も安心できる支払い方法です。
ところが、世間一般で厳しくなっている“個人情報保護”の観点から、昨今は極力個人情報に該当するものは扱わないようにしているチームが多くなっています。
その結果、私のチームでも、“月謝袋”にお金を入れて、会計が受け取ったらチームの受領印を押して“月謝袋”を返却するという、昔ながらのスタイルを採っています。
しかし、結果的にこのスタイルを採用するということは、“小学生にお金を持たせる危険”を冒すことになるので、その意味では“どの集金方法を採用してもリスクはある”というのが実情です。

会計報告

大抵のチームには会計・会計監査がいて、会費は収入として計上され、支出としてその内訳が年度末の“総会”などで決算報告されます。
“会費の使途”で説明した基本となる支出以外に、チームとしての節目の年(創立XX周年など)には、団旗や横断幕(公式戦の時にフェンスなどに飾るもの)を作ったり、ユニフォームを新調したりという特別支出が発生することもあります。
また、成績の良い年には上部大会への遠征費・合宿代・決起集会費用などを補填する為に、想定外の費用をチーム会計から捻出する必要が生じます。
こうした有事の為にも、単年度決算の中で毎年こつこつ繰越金を貯めておく必要があるのです。
但し、チームにおける会費の繰越金というのは、過去多くの卒団生が積み立ててくれた貴重なお金の集積でもあるので、使用する場合は充分な検討と配慮が必要であることを忘れないようにしてください。

会費の支払い

“毎月支払い”が原則ですが、つい忘れてしまいがちなのが会費の支払いです。
できるだけ滞納しないことが基本ですが、仮に忘れてしまった場合は、気づいた時点で速やかに支払うように心がけましょう。

これは私のチームで本当にあった話ですが、会費の“毎月支払い”にも困るほど生活が困窮した、A君という子供(家庭)がいました。お父さんが会社でリストラに遭い、心労から入院してしまった家庭でした。
ある日「会費が払えないので退部させて欲しい。」と、A君のお母さんから申し出がありました。
野球が嫌いになった場合や、怪我や病気で辞めざるを得なくなった場合と違い、子供には全く原因・責任がない理由による退部の申し出でした。
この時、監督の私は熟考の末、“大岡裁き”として“出世払い”という方法を選択しました。
「これから発生する会費を、A君が就職するまでの間、“チームからA君への貸与”とする案はどうだろう。
払えないA君一家の会費を私が肩代わりするのも他の家庭の手前、変な話なので、関係者を集めて知恵を絞った末の結論でした。
これは、言ってみれば“奨学金”の少年野球チーム版ですね。
A君が無事就職して、チームに対して返金をしに来てくれる日が今から楽しみです。きっとお金のありがたみや、両親に対する感謝の気持ちを感じられる、立派な大人になっていることでしょう。
仮に、貴方のご家庭が同様の状況になったら、速やかに監督に相談することをお勧めします。

まとめ

少年野球チームは“ボランティア団体”です。
“野球塾”ではありませんが、必要経費は発生します。
その原資となるべき会費については、担当者の手を煩わせないように速やかに支払ってください。
貴方が出納担当の立場になったことを考えて、行動するようにしましょう。

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