少年野球における練習メニューの目的と練習方法

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記事の目次

練習はつらいものです。しかし“練習は嘘をつかない”とも言われるように、強いチームは須らく多くの練習量をこなしています。
“練習で出来ないことを、試合では出来ない”とも言われます。
仮に“ダイビングキャッチができるようになりたい!“と思っている子がいたとすれば、練習で何度も何度もトライして、数え切れないほどの失敗も経験した上で、やっと”試合での成功“というご褒美がもらえるのです。逆に言うと、練習でダイビングにチャレンジする勇気を見せない子には、いつまで待っても成功というご褒美は巡ってこないということにもなります。

このように個人にとっても重要なチーム練習ですが、シートノックで行う連係プレーやサインプレーの確認は、チームが強くなっていく上で欠かせないものです。
その練習メニューには、いくつかのパターンがあります。
特に合宿時や大会前の練習は、練習時間の枠や目的が異なるので特別メニューでの練習となります。

ここでは、通常日における一般的な練習メニューを紹介します。

ウォーミングアップ

省略して“アップ”とも言いますが、他のスポーツと同様に、野球の場合もウォーミングアップが欠かせません。これを省略すると、子供が肉離れや関節痛などを起こす元となるので充分に注意しましょう。

我がチームにおけるウォーミングアップは、ランニング・体操・ダッシュの三点セットで行います。
通常2時間枠が多い球場の利用時間ですが、ウォーミングアップは球場でやる必要がありません。
よって、限られた2時間を有効活用できるように、練習開始の30分前から球場周辺の公園や空き地でアップを済ませてから球場での練習に臨みます。

ランニングは、球場の周りを3周走ることにしています。2列になって学年が上の子から順番に並んで走ります。
大きな声で一人ずつ順番に掛け声をかけて走りますが、これは“声出し”の訓練も兼ねています。

ランニングが終わったら、空いているスペースで円になって体操をします。
内容は“ラジオ体操第一“に準ずるもので、さらにそれを終了したら2人1組になってストレッチを行います。
最近では“マエケン体操”なども取り入れ、肩甲骨の柔軟性を高めたり、肩関節の内外に捻る動きの柔軟性を高め可動域を広げることで、故障を予防しています。

体操・ストレッチが終わったら、次はダッシュです。
5人で列を作ったら、コーチの合図に従って20メートルくらいの距離を走ります。
その中では、直線ダッシュのほかスキップや背走、さらには“腰切り”と呼ばれる野球独特の動き(ランナーがリードする時の動きをイメージして、腰を回しながら横ばいで走る)もアップの一部として登場します。
野球では、守備においても攻撃においても“一歩目が大事”と言われています。
これはこのアップにおける“ダッシュ”の積み重ねによって培われる部分が大きいので、子供たちにはその必要性を都度説きながら練習します。
“なぜこの練習をやるのか?”を理解させてからの練習でないと、つらくて苦しいばかりの練習になってしまい、子供たちがついてきません。

キャッチボール

いよいよ、球場に入って練習開始です。
二人一組になり、まずは近い距離からキャッチボールをはじめます。ここでは“投げる”という動きと“捕る”という動きを両方併せて練習することを意識します。

“投げる”場合には“相手の胸を狙って投げる”という技術を磨きます。
なぜ胸を狙うのかといえば、相手にとってそこに来たボールが捕った後に一番投げやすい場所だからです。

肩が温まってきたら、徐々に投げる距離を広げていきます。
レベルによって距離はまちまちですが、最高学年のペアによるキャッチボールは、塁間よりちょっと長いくらいの距離で正確なやりとりが繰り広げられます。
小学生の肩というのは、“鍛えて強くする”ものです。肩を鍛えるにはこのキャッチボールでの遠投が一番手っ取り早く、確実であると言われています。
練習の都度、少しでも長い距離を投げることによって肩を強くして、より速いボールが投げられるように日々鍛えていきます。

10分ほどキャッチボールをしたら、最後に“クイックキャッチボール”20本で仕上げます。
普通のキャッチボールは1球1球フォームを確認しながら投げさせますが、“クイックキャッチボール”は捕ったらすぐに投げます。
野球のプレーの中で“捕ったら終わり”という動きはあまりなく、“捕ったら次のプレーを考える”というケースの方が圧倒的に多くなっています。
その為には捕った後に少しでも速く投げることが要求され、最終的に“投げる体勢に近い形での捕球”が求められるため、“クイックキャッチボール”の練習をするわけです。

バント練習

キャッチボールが終わったら、次はバント練習です。
3人一組になりそれぞれ“投げ手”“打ち手”“守り手”を交代しながら一人10球ずつ行います。
ここでは、“ストライクバント”を徹底します。“ストライクゾーンに来た球のみバントする”ことにより、選球眼の鍛練にも繋げます。
8球送りバントを成功させたら、最後の2球はスクイズです。“何が何でも飛びついてスクイズをする”練習も、ここで行います。

詳しくは「バントについて」をご覧ください。

シートノックについて

バント練習が終わったら、いったん小休憩したあと、内野と外野に分かれて20分ほどノックを行います。
そして最後の10分は、内野外野一緒になって外野からの返球についての連携練習をします。

詳しくは「ノックについて」をご覧ください。

バッティング練習・紅白戦について

後半の1時間は、バッティング練習紅白戦をやります。

バッティング練習は、コーチが投げる球を一人ずつどんどん打っていく練習です。
バッテリーの子達が先にバッティングを済ませて、その後は別の場所でピッチング練習を行います。

紅白戦は試合形式で行う練習で、子供たちが最も喜ぶ練習です。
レギュラー組対サブ組という形にして双方のバッテリーのみを入れ替えると、紅組・白組のバランスがとれた戦力になります。
紅白戦は実際に試合を行っているような気持ちで臨めるだけでなく、監督から出るサインの確認なども行うので、より実戦的な練習となります。
ここでの結果は、次に行われる試合のスタメンに直結することが多いので、子供も保護者も真剣な眼差しでその内容を見つめます。

ベースランニング

練習の最後には、ベースランニングを行います。
内容については、「ベ―スランニングと走塁の練習」をご覧ください。

まとめ

練習日の大まかなメニューと流れを、理解していただけたでしょうか?

このようなチームでの練習は、連係プレーが多い野球というスポーツにおいて非常に重要です。
ただし、本当に強いチームを作るのであれば“個”の力も必要で、そこでは各選手が日ごろ各家庭で行っている個人練習の“質”が問われます。
私のチームでは、家での素振りだけでなく、腹筋背筋、腕立て伏せなども具体的に回数を提示して、毎日の自主練習メニューとして子供たちに課します。そしてその結果を“野球ノート”に記して提出させます。

こうして日々積み上げた“個”の努力についてもチーム練習で確認&修正していくことで、真の強豪チームに一歩一歩近づいていくのです。
世間で“天才”と呼ばれる選手達も、小学生時代にはこのようなチーム練習や個人練習を積み重ねて、今日の成功を勝ち得ているのです。

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