家庭での日々の自主練習はチームを強くする

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記事の目次

少年野球における“練習”といえば、普通はチーム練習です。グランドを押さえて、みんな集まってチームプレーの練習をすることで強化される部分は重要ですが、発達途上である小学生にとっては“個”の力を底上げすることも非常に重要です。
その証拠に、私が懇意にしていただいている強豪チームでは、須らく個人練習を重視しています。
日記形式の野球ノートをつけさせて、個人練習の達成状況をこまめにチェックしているチームすらあります。

ここでは、家庭における日々の練習について詳しくお話します。

日々の練習

さまざまな練習の結果、野球の技術が向上したかどうかを計るバロメーターとして、いくつかの尺度がありますが、“速い球を投げられるようになった”“強い打球を打てるようになった”というのはその双璧でしょう。
“速い球を投げられるようになった”ピッチャーは三振が多く取れるようになり、内野手は1塁でアウトに出来る確率が高くなり、外野手は返球のスピードが上がり走者にプレッシャーをかけることが出来ます。
“強い打球を打てるようになった”バッターはより遠くに打球が飛ぶようになり、内野手の間を抜けてヒットになる確率が高くなったりします。

ただその2つは週に1~2度のチーム練習だけを一生懸命やっていても、思うような成果は得られません。
ここで大きくモノをいうのは、“家庭における日々の練習”なのです。

家庭での練習メニュー

私のチームにおいて子供たちに求めている家庭での練習は、まず基礎体力の向上を目的としたものです。
体力の絶対値が上がれば必然的に投球のスピードは上がり、打球のスピードも上がるというのが私の考え方です。

基礎体力強化メニューとして、腹筋・背筋・腕立て伏せを学年に応じて回数の指示をします。
これを実行するのは毎朝でも毎晩でも構いませんが、夜は遊び疲れて寝てしまうことが多いので、継続させる為には朝が無難でしょう。

打者が家でやるべき練習について、一般的には“素振りが一番“だと思うかもしれませんが、”家で勝手な形によるスイングを続けるとダメな形が体に染みついてしまい、逆効果であることの方が多い“というのが実態です。
恐ろしいことに、やればやるほど打てなくなります。
なまじ野球好きのお父さんやおじいちゃんにフォームをいじられたりすると、本当に最悪です。元に戻すのに何ヶ月もかかるので、はっきりいってやめて欲しいと指導者は皆、思っています。
素振りは、指導者が見ている前でやってこそ意味があるものだ、と覚えておいてください。
もし家で素振りがしたいのであれば、お母さんもお付き合いする覚悟が必要です。
お子さんと一緒に素振りの確認ポイントを指導者から教わって、そのポイントを傍でチェックしてあげるのなら効果が見込めるでしょう。

“ランニング”も基礎体力向上(主に心肺機能と下半身の強化)に効果がありますが、やるならなるべく朝やりましょう。
各地域における治安の問題がありますので、夜は極力避けてください。
早起きして、ダイエット中のお母さんも一緒に走れるようなら最高ですね。

内野手であれば“壁当て”も効果があると思います。
壁に向かって投げ、跳ね返ってきたボールを数回バウンドさせた後に1塁に送球するイメージを持ちながら捕って投げる。捕ってから投げるまでの時間を出来るだけスピーディーに行う意識をもって続ければ、この練習は必ず実戦で生きてきます。
但し住宅事情によっては、“壁に当てる音がうるさい”とクレームが出ることがありますので、壁当てをやる場合は充分周囲に配慮した上で行ってください。

まとめ

チームの全体練習でやれることは、限られています。
少ない時間の中で、連携プレーを中心に練習せざるを得ない為、個人の練習までは辿り着かないのです。
本当に強いチームを作る為には、“個”の力をいかに上げるかが勝負であることを、この項では押さえてください。

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