練習試合の組み方・相手の選び方や試合の流れについて

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記事の目次

チームの年間目標として、「XX大会優勝」や「YY大会ベスト4」を挙げるチームは多いかと思います。
その目標に向かってチーム練習や日々家庭での自主練習を行いますが、実戦感覚を養う目的で行われる“チーム内での紅白戦”というのは所詮チームメートが相手であり、審判も自チームのコーチであったりするので、どうしても“本気度”が上がりません。
そんな時、世の監督達は練習試合を組みます。
その時期は、新チーム発足直後であったり大会と大会のはざまであったりしますが、単にカンフル剤的な効果を狙うだけでなく、その時点におけるチームの実力をみんなが認識する上で、練習試合は非常に重要な役割を担います。

練習試合の組み方

実際に練習試合を組むには、どういったプロセスが必要なのでしょうか。
まず事前の状況として、大きく2通りあります。
自チームがグランドを持っている場合自チームがグランドを持っていない場合です。

自チームがグランドを持っている場合

グランドを持っている場合は、その日程で練習試合をやっていただける可能性が高いチームの監督または日程担当者に、メールなどを通して直接確認します。
これは自チームのエリアまで“遠征していただく”ことになりますので、グランド周辺の駐車場状況やのアクセスについての案内も併せて連絡します。

自チームがグランドを持っていない場合

グランドを持っていない場合は、かなり懇意にしているチームでないと厳しいですが、ひたすらお願いして回ることになります。
具体的に言うと、“うちはグランドがないので、おたくの持っているグランドで練習試合をさせてくれませんか?”というかなり虫のよい話をお願いすることになるので、“誠に恐縮ですが、もしXX月XX日のAM(PM)XX時からグランドをお持ちであれば、練習試合をお願いできませんでしょうか?”という感じで、丁重にメールを出します。
これは、グランドがとれておらず練習が全く出来なくて困っている週には、たびたび起きる作業です。

練習試合で対戦する相手の選び方

次に練習試合の相手としては、どんなチームを選ぶと良いのでしょうか。

あまりに強い相手と組んだ場合、完膚なきまでボコボコにやられてしまい、戦意喪失・自信喪失で、その後のチーム運営に支障をきたすことすらあります。
その逆に、あまり弱い相手と組んでしまうと、自チームの実力を間違った方向に過大評価してしまい、いざ公式戦になった段階で酷い目に遭うこともあります。

ということで、私が練習試合の相手を選ぶ基準としては、“自分のチームよりレベルがちょっとだけ上のチーム”です。
“がんばったけど負けちゃったな。だけどチームとしてのまずい点が見つかったので、これから大会までの間、重点的にみんなで練習していこう。”と試合後に監督が言えるようであれば、それは“良い練習試合”だったと言えるでしょう。

強豪チームとの練習試合をセットするには

世の中には、年間100試合近く練習試合をこなすような強豪チームもあります。1日に2試合3試合は当たり前のようにこなします。
こういったチームは、“一度は対戦してみたいチーム”として周囲から見られています。
そして、そんなチームには常に練習試合の申し込みが殺到しており、こちらがグランドを用意したとしても、なかなか相手をしてもらえません。
まして、正規のホームページから練習試合申し込みなどを行っても、まず練習試合は成立しません。

ここでモノをいうのが、監督同士の繋がりです。長年少年野球が大好きで携わってきた監督同士のお付き合いの歴史が、無理なお願いや無茶な申し出を成立させてくれるのです。

“今のチーム、ちょっと自信過剰になっているな。”と感じた時、このような強豪チームと練習試合をやると、色々な意味で世界が変わります。

練習試合の流れ

練習試合の場所に到着した後は、一体どのような流れになるのでしょうか?

まず、呼ばれたチームの監督は呼んでくれたチームの監督を探してご挨拶をします。
そして、それと前後して“お土産”の贈答があります。
練習試合には、呼ばれた側のチームが呼んでくれたチームに対して“お土産”を持っていくという暗黙のルールがあります。
これは呼んだチーム側がグランド代を負担することになるので、目安としてその相場の折半に当たる金額のお土産を持っていくという、慣わしのようなものです(わがチームでは菓子折りとかスポーツドリンクなどを持っていくことが多いです)。
またこの贈答は、せっかくの時間を無駄にしないように、監督同士が挨拶している間に裏でお母さん同士によって行われるのが通例です。

その後、グランドに入ってからは、30分程度アップしてからいよいよ練習試合の開始です。
先攻後攻は、呼ばれた側のチームが“お客様”なので無条件に先行となり、沢山打っていただくのが一般的です。(練習試合はイニングでなく時間で区切ることが多いので、先行の方が沢山打てるため)
審判は、塁審も含めて呼んだ側のチームが基本的に用意します。また、あくまで“練習”試合なので、主審があまり厳しくジャッジしてフォアボールばかりでは意味がないので、“ストライクゾーンは広く”が一般的です。
その他、ラフプレーや汚いヤジは品位を疑われ、次回から誘われなくなったり、誘いを断られたりする恐れが生じますので、自粛しましょう。

まとめ

“練習試合だから勝敗は関係ない”という監督がよくいます。結果だけを見れば確かにそうかもしれません。
仮に大差がついた状況でも、“今日の練習試合におけるうちの命題は送りバントだ”と監督が決めた試合であれば、普通に送りバントのサインを出すのが練習試合のスタンスとしては正解でしょう。

但し、練習試合だからといってあまり負ける試合ばかりが続くと、今度は“負けグセ”がついてしまう危険があります。
練習試合には、“公式戦を想定した試合形式の他流試合”という側面だけでなく、“チームに勝ちグセをつける”という意味もあることを最後に抑えておいてください。

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