少年野球をやる上で日々の勉強にどう取り組むか

top画像
※この記事にはプロモーションが含まれています。
記事の目次

野球少年たちを“勉強する気にさせる”のは、本当に大変です。

私もチームの監督として、お母さん達から発せられる悲鳴に近い訴えを、何度となく目の当たりにしてきています。
『うちのXXは野球を始めてから成績ガタ落ちなんですけど、監督、何とかしてください。』
『うちのYYは勉強もしないで、毎日プレステで野球ゲームばっかりやっているんですけど、監督、何とかしてください。』

しかし、彼らには彼らなりの言い分があります。
『僕は、大谷みたいなプロ野球選手になりたいんです。勉強なんかする時間があったら、素振りをします。』
『僕は、中学生になったらちゃんと勉強します。だから今は、野球とゲームを頑張ります。』
そんなXX君/YY君たちを呼んで、私が彼らにするお説教の一部を、ここではご紹介しましょう。

勉強することで夢を叶える

“プロ野球選手になる”という夢を抱えている野球少年は、世の中に沢山います。
そして、甲子園に出場する事が、その夢への第一歩でもあります。

『甲子園に出場するには』の項でも説明しているように、甲子園の土を踏む為には、全国各地の野球強豪校に入学することが近道であり、その具体的な手段は、野球推薦(特待)か一般入試(一般推薦も含む)となります。

野球推薦で入学する為には、まずスカウティングに関わる関係者の目に留まるような、全国レベルの“実績”や“将来性”を、中学時代に残す必要があります。
そして、さらにその“金の卵”達を集めた“セレクション”と呼ばれる選抜テストが多くの学校では用意されているので、それを勝ち抜く必要があります。
当然の事ながら、これはかなり高いハードルとなっています。

その点、一般入試の場合は、どの野球強豪校も学力さえあれば入学が可能です。
また、野球推薦の制度がある高校であっても、大抵の場合、一般入試で入学した生徒にも野球部の門戸を広げています。
つまり、入部が可能であるばかりか、限られたチャンスをものにすればレギュラーへの狭き道も自力で切り開いていくことが可能だということです。
(但し、少数精鋭の強豪校野球部の場合は殆どが全寮制で、一般入試の合格発表時には既に定員を超えていることが多く、事実上入部はできないことになるので、事前調査が非常に重要です。)

では、志望する野球強豪校に一般入試で進学するためには、一体いつごろから本格的に勉強をし始めればよいのでしょうか?

まず、『中学校の評定というのは、一気に良くならない』ということを、大前提として抑えておく必要があります。
具体的に5段階評価の場合、2→4とか、3→5など2段階アップというのはまずありえないのです(逆に、ダウンは頻発)。
従って受験用の内申として採用される中学3年2学期に間に合わせる為には、3年1学期から突然真面目にやったとしても全然間に合わないのです。
さらに、昨今の中学校における進路指導では、公立に限らず私立を受験する場合も、この3年2学期の内申を基に担任や進路指導の教師と話をするので、受験させてもらえない、推薦してもらえないなど、学校側とのトラブルが起きることさえあります。

もうひとつ重要な事は、仮に「中学生になったら、真剣に受験勉強を始めよう。」と決心したとしても、『勉強する習慣』や『考える習慣』が全く身についていない子は、中学校に入学していきなり勉強すると決めていたとしても、まず間違いなく実践できません。
だから、“小学生の時分から、考える姿勢や勉強する姿勢を身につけておく必要がある”と力説するわけです。

整理すると、夢を叶えるためには野球強豪校に入学する事が近道であり、その志望校に入学する目的で本格的な“受験モード”に入るのは、少なくとも中2の一学期辺りが必須であるが、そこでいきなり“勉強するモード”にはなれないので、小学生の時から“考える姿勢”や“勉強する姿勢”を、予め身につけておく必要があるということです。

考える事ができないと野球が巧くならない

“野球は考えるスポーツである”と言われます。一流選手は、1試合の中でほとんどの時間は頭を使って何かを考えているはずです。
三振してベンチに戻ってきた時も、『なぜ自分はこの打席で三振してしまったのか』を考えます。
1点負けている最終回。コーチからサインが出る前に、先頭バッターである自分がチームのためにやるべき仕事は何かを、まず自分の頭で考えています。
さらに、バッターボックスでは次の球のコースや球種を考えたり、守備では打球を追いかけている時間でさえも、ランナーの動きや返球方法を考えていたりします。

このように、常に次のプレーを考えて、その準備をするのが野球の基本です。
もっと端的に言えば、“考える事が野球の基本である”と言っても過言ではありません。
その証拠に“超一流”と呼ばれる選手は、幼少期から“考える”スキームが身についているため、当然学校の成績がずば抜けて良いのです。

したがって、夢多き野球少年達も、まずは学校の勉強を通して“考える”練習をしてみる必要があるのです。
いくら一生懸命に素振りや筋トレをして、多少打てるようになったとしても、イチローや松井や大谷クラスを目指すためには、自分で“考える”事ができなければ、夢は幻と化すのですから。

毎日必ず机に向かう習慣をつける

食卓/テレビ/風呂/トイレ/ベッド。お子さんがご家庭で過ごす時間帯に、どこで何をしているかを考えた時、これらの場所で過ごす時間の繰り返しが、一日の大半だと思います。
そんな中、このサイクルに“勉強机”が定常的に含まれるような生活習慣に移行する事が、実は極めて大事です。
家庭環境や住宅事情により自分専用の勉強机を持っていない子もいますが、その場合は食卓でも構いません。
心を落ち着けて姿勢を正し、毎日30分でもよいので、1つの事についてじっくりと考える習慣を身につける事が、実は非常に重要です。

我がチームでは、子供達に野球ノートをつけさせていることを色々な項でお話していますが、その真の目的は、“勉強机に毎日必ず座るという単純作業を習慣づける為である“と言っても、決して過言ではありません。

まとめ

勉強が好きな野球少年の絶対数は、確かに少ないです。

しかし、仮に夢である“野球を生業とした人生”を送ることができたとしても、“考える事”ができない選手は大成しません。
ましてや大抵の人間は野球以外の職に就くわけですから、それぞれのステージで花開く為に必要であろう、様々な知識も学ばなければなりません。

“小学校時代になぜ勉強しなければならないのか”を本人自身に理解させ、自発的に机に向かう習慣づけをすることが、何より大切なのです。

この記事をシェアする