ポジションごとの守備時の送球ポイント

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記事の目次

守備は、大きく3つの動きで構成されます。

  • 打球に向かって動く。
  • きちんと捕球する。
  • 素早く正確に送球する。

これらのどれかひとつが欠けても、打者をアウトにすることは出来ません。打球に向かって動かなければそもそも捕球できませんし、捕球できなかったり捕球してもポロポロしていたらアウトに出来ません

それと同様に、「素早い送球」「正確な送球」も非常に重要です。
ここでは、ポジション別に守備時の送球ポイントを見ていきましょう。

ピッチャー

ピッチャーは大変なポジションです。1試合の中で何十球も何百球もキャッチャーに向かって投げるのに、その他にバントやピッチャーゴロを処理しなければなりません。

バントを処理した場合は、ダイヤモンド全体を見渡せる位置にいるキャッチャーの指示に従い送球します。ピッチャーゴロの場合は他の内野手と同じように正確に捕球して、正確にスローイングすることが必要です。

キャッチャー

キャッチャーはボテボテのバントや当たりそこねをダッシュして捕球し、素早く送球する必要があります。「ピッチャーにはなるべく負担をかけない」のが基本なので、ピッチャー前の当たりにも頑張ってダッシュして対応する必要があります。

盗塁時のスローイングについては、「キャッチャーの捕球とスローイングの練習方法」の項でお話します。

ファースト

ファーストは捕球することばかりが注目されがちですが、送球する場面も結構あります。

ピッチャーからの牽制球に対する返球。小学生の野球ではこれがしばしば暴投になり、1塁ランナーの進塁を許してしまいます。

また、ファーストゴロを捕ってバックホームする場合は、得点に絡むシーンなので極めて重要です。1塁ベースに近い当たりであれば、ひとまずベースを踏んでバッターランナーをアウトにしてから送球する必要があります。

その他、3-6-3や3-6-1のダブルプレーの場合、送球でミスをするとダブルプレーを成功させられないばかりか、失点の危険すらあるので注意が必要です。

セカンド

広島の菊池の守備を見れば、セカンドの守備がいかにゲームの流れを変えるかよくわかります。捕るだけではダメで、その後の送球がいかに大事かも良くわかります。

4-6-3や6-4-3、5-4-3など、ダブルプレーを成立させる為にはセカンドの送球に高い正確性が求められます。小学生の場合、肩は弱いですがそれにも増してバッターランナーの足が遅いので、ダブルプレーが思いのほか成立します。

一方、その逆に2つアウトを捕ろうとして一つも取れないという事も小学生の場合は多いので、「とりあえず一つアウト」というのがベンチの無難な指示となります。
いずれの場合も、その中で中心的役割を担うのがセカンドなのです。

サード

少年野球のサードはまだ肩が弱いので、ワンバウンドで1塁に投げる練習をします。人工芝のグランドであれば問題は少ないですが、土の場合はイレギュラーが避けられないのでエラーが多発します。

同様の理由で5-4-3のダブルプレーはめったに見ることができません。小学生のサードは「ボテボテゴロ」の対応でかなり前に守らせますので、それでなくてもセカンド送球の距離が長くなります。よって、ここでも「とりあえず一つアウト」というのがベンチの無難な指示となります。

また、小学生のサードでも、勘のいい子は素手でとってランニングスローをしたりします。テレビでよくプロのプレーを観ている子は、バッターの脚力と打球のボテボテ具合を瞬時に判断してそのような対応が出来るのです。

外野

小学生の場合、肩が弱いのでバックセカンド(バッターランナーが2塁打を狙う場合、外野手はセカンドへ返球)、バックサード(バッターランナーや1塁ランナーが三塁を狙う場合、外野手はサードへ返球)、バックホーム(ホームに返球)のどれもほとんどカットプレーが入ります。ということで、カットマンへの送球についての精度が求められます。

一方、受けるカットマンの方も練習の中で外野手それぞれの肩がどの程度か解っているので、外野手の捕球場所に合わせてカットに入る位置を調整します。この練習を反復することで、外野からの返球は格段に早くなり、チームとしての総合的な守備レベルを上げることに直結します。

まとめ

「守り」は重要です。
野球は、相手に点をやらなければ負けることがないからです。
実際に中学生くらいになると、0-0でサドンデスになること前提として様々な練習をしているチームもたまに見かけます。

練習の場所に恵まれない都会のチームは、特に守備練習に時間をかけます。これは、バッティングの練習というものが、時間をかけたらそれに比例して成果が上がる類のものではない(簡単に打てるようにはならない)からです。またバッティングには「スランプ」があるが、守備にはないとも言われているからです。

「鉄壁の守備」。かっこいい言葉です。
送球まで含めてはじめて「鉄壁」と呼べるということを、ここでは押さえておいてください。

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