チーム内のいじめにどう対処するべきか

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記事の目次

いじめ問題が日本中で問題視されるようになって久しいですが、少年野球チームにおいても、いじめやそれに近いことがかなり頻繁に起きます。
チーム内にいじめが存在する状態で、“チームワーク”もクソもありませんから、指導者は発見次第根絶に向けて対処する必要があります。
いじめのターゲットは、技術的に下手な子だったり、試合でミスをした子だったりします。
そして、それは子供同士の世界だけでなく、サポートすべき立場にいるお母さんたちの間でも稀に発生します。

ここでは、それぞれのケース別に対処法を紹介していきます。

同級生いじめ

最も多い例としては、同級生によるいじめがあります。
これは小学校におけるいじめが、野球チームでの活動中にまでひきずられていると推察されます。
その意味で、いじめの内容/進行度合いによっては、小学校側と連携して対処することも必要になってきます。

“いじめられやすい子”のパターンとしては、気が弱い子/みんなと同じことが出来ない子/真面目すぎる子…などが挙げられます。
“気が弱い子”に対しては、チーム内練習やミーティングの中で“大きな声を出す”“自分の意見を整理して発言する”という指導を継続していくことで、徐々に弱点克服を図っていきます。
“みんなと同じことが出来ない子”に対しては、とにかく反復練習をさせます。
なぜできないのか?の理由を本人に自覚させ、その克服の為には何が必要かを本人ととことん話し合います。そして本人に納得させた上で、何度も繰り返して練習させます。場合によっては、自宅での個人練習を強いることになったりします。
“真面目すぎる子”は、少年野球チームにおいて少数ですが、“あいつクソ真面目で面白くないやつだ”と思われる子は、大人社会と同じくらいの割合で見かけます。
ただし子供の場合は、合宿やパーティーなど、ふとしたことがきっかけとなっていつのまにかチームに溶け込んでいることがほとんどなので、一定の期間を定めて状況を見守りましょう。

少年野球チームにおけるいじめのケースは、大抵、上記対応の中で解消されますが、それでも改善が見られない場合は、どうすればよいのでしょうか?
私のチームでは、“キャプテンへの指導“を行います。
監督が「いじめはやめろ!」と何百回言うより効果覿面なのが、「いじめなんてやめようぜ!」というキャプテンからの一声です。
そのため私のチームでは、まず私がキャプテンを呼んで「XXへのいじめはお前の責任でやめさせろ。」と話をします。そこでは、

  • いじめが起きているようなチームで、強いチームはない
  • いじめをなくす程度の簡単な目標がクリアできないようでは、大目標である上部大会の優勝など望めない
  • 自分自身がいじめたれた気持ちになって、チーム全員が考えてみる(みさせる)
  • いじめなどというくだらないことをしている時間に、ひとりひとりが課題としている練習に励む

というような内容で話をし、監督とキャプテンの考え方を一致させます。
そして、このように“いじめへの対応”をしていく中で、チーム運営に対する監督とキャプテンの“一体感”も生まれます。

下級生いじめ

いじめの中で最も悪質なのは、下級生いじめです。
スポーツの世界において先輩後輩の上下関係が極めて重要であることは周知の事実ですが、特に野球の世界においては中学・高校・大学・社会人・プロ…と、どのレベルにいっても先輩を敬う気持ちを求められます。
後輩の立場としても“技術的/精神的に色々教えてくれるのが先輩”“先輩に憧れている”“同じことをしてもいつも先輩が怒られてくれる”と敬う理由は様々ですが、これがエスカレートして、上級生と下級生の“支配従属関係”に形を変えてしまうと“体罰”や“しごき”という形で“事件”になってしまうこともあります。

私のチームでは、“自分より年齢が下で力も弱い下級生をいじめるような子供は、野球をやる資格がないので退団してもらう”ということで、入団時に保護者に話をしてあります。
また、適当なタイミングで子供たちにもその旨、話をしています。
お陰で、いまだに下級生いじめが原因で退団した子はいません。

いじめに対してやってはいけないこと

いじめが起きている状況で一番やってはいけないことは、“親が介入”することです。
何の解決にもならないばかりか、“親にチクった”と言われて、さらにいじめが酷くなる場合すらあります。
また、お子さんが自力で物事を解決する最大最強の妨げになります。
これから中学・高校と成長していく中で、親がいつまでも介入することは不可能であることを良く考えてみてください。(但し、親子で話をすることは、どのステージでも非常に大事です。)
また、他の保護者やコーチに相談するのは、“犯行グループ”に情報が流れて、逆効果になる場合がありますので要注意です。

お子さんがチーム内でいじめに遭っているとしたら、まず親としてすべきことは秘密裏で監督に相談することです。

お母さんいじめ

お母さんグループの中でも、稀にいじめが起きることがあります。
またいじめまでは行かないまでも、他のお母さんの文句や悪口を言い、保護者会全体を引っ掻き回す人がいる場合、周囲から疎まれ一人だけ浮いた存在になってしまうので、結果的にいじめと同様の状況になってしまうことがあります。
この場合は、基本的には“各自が大人の対応をする”ということになりますが、余りに状況が酷い場合は、みんなでいじめる前に保護者会長に相談しましょう。
但し、この場合“チーム内告発”ということになるので、“和が乱れる“ことを覚悟した上で行動してください。

いじめによる移籍

“いじめが酷いので他のチームに移籍したい”という事例を、たまに聞きます。
私のチームからこの理由で出て行った子はいませんが、逆に他のチームから来た子はいます。

ここで注意すべきことは、“同一地域内のチーム間移籍禁止”というローカルルールです。
この通達が連盟から出ている地区が日に日に多くなっています。
その理由は、これを許容すると強いチームはどんどん強くなり、リーグ内の実力や子供の数の均衡が保てなくなるからです。

但しここで上がっている“いじめが原因で退団を考えている”というケースにおいては、各地域で例外的措置があるはずです。
私の地区も同一地域内のチーム間移籍を基本的に禁止していますが、当該チームの監督同士が了解した場合に限り、これが認められることになっています。
どんな理由が有るにせよ、いじめはいじめる側が悪いに決まっていますが、各家庭で勝手に移籍の行動を起こしてはいけません。
どうしようもない場合は“監督に相談してからチーム移籍の道を探る”という方法もあることを、ここではご紹介しておきます。

まとめ

世の中には、“いじめられる方が悪い”という人がいます。この考えを声高に叫ぶ人は、大抵いじめられた経験がない人です。
私も自分自身いじめられた経験がなかったので、ずっとその仲間でした。
ところが、息子がいじめられたことがきっかけとなり、その考えは180度変わりました。

また、いじめについて学校現場で永遠の課題となっているのは、“教師による問題の抱え込み”です。
いじめを認知しているのに効果的な対策が打てずに担任が抱え込み、最悪の結果を引き起こしてしまうという流れです。
少年野球チームにおいては、“担任教師”にあたるコーチや、“校長”にあたる監督が、“抱え込むことなく”適切なタイミングで正しい施策を講じることで、子供たちに対する心のケアに取り組む必要があります。

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