公式戦抽選会の目的と流れについて

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記事の目次

お子さんを少年野球チームに預けている貴方。お父さんコーチとしてもかなり経験を積み、日々の指導も板に付いてきました。
或る日、監督から「XXさん、今度のYY大会抽選会に行ってきてよ。」と頼まれました。

少年野球チームにおける“公式戦抽選会”というのは、一体どういうイベントなのでしょうか?

抽選会の目的

大きな大会においては、必ず事前に組み合わせ抽選会があります。
そこでは公正を期すために、各チーム代表者参加のもと、くじ引きで組み合わせを決定するのが一般的です。

上部大会においては負けたら終わりのトーナメントが基本なので、毎年ベスト4に名を連ねるような強豪と1回戦であたりたくない気持ちは、どのチームも同じです。抽選が始まると、あちこちから悲鳴にも似た叫び声が聞こえ、会場内は異様な雰囲気に包まれます。

抽選会の流れ

では、実際どのような流れで抽選会は進むのでしょうか。

  • エントリーフィーの支払い
  • 大会会長/役員の挨拶
  • 審判団の紹介
  • ルール説明/質疑応答
  • 抽選/結果発表
  • 開催にあたっての諸注意

というのが一般的な抽選会の流れです。
以下、ポイントとなる項目について、個別に説明します。

エントリーフィーの支払い

会場に到着すると、抽選会開始前に受付でエントリー費を支払います。ここでお金が足りないと恥をかきますので、家を出る前にきちんと確認しましょう。
また、この支払い作業によって、大会運営サイドは当該チームの抽選会出席を確認することになります。

ここではチーム会計から預かった大会エントリー費を支払いますが、必ず領収書をもらいましょう。支払いの確証として、後日チーム会計に対して提出が必要となります。

ルール説明/質疑応答

さて、いよいよ抽選会の開始です。大抵の大会では、大会会長の挨拶、役員紹介、審判団の紹介等に続いて、審判長から大会使用ルールの説明があります。

まず「本大会は“公認野球規則2017”に則り進めます」というような、通り一遍の宣言で始まります。但し、野球規則には時間の規定がないため、多くの大会では、まず試合時間関連の説明からあります。具体的には、“大会規定の試合時間が終了した時点で同点だった場合にどうするか”についての説明です。その決着のつけ方は大会によって様々で、サドンデス(タイブレーク)であったり、抽選であったり、じゃんけんであったりします。

その他、少年野球の大会の場合は、プレーに関わる部分だけでなく、ベンチ入りできる人数(監督、コーチ、スコアラー、保護者<救急要員>、チーム代表者それぞれの数)について細かく定められており、その説明があります。“違反した場合は~”というペナルティの説明までされる場合もあります。

珍しいところでは、“キャッチャーのファウルカップ着用が必須”という大会もあります。そのため、ファウルカップを普段使っていないチームでは、新たに購入が必要です。これは股間に直接触れる防具なので、いくら子供とはいえ一度でも他人が使ったものは嫌なはずなので、チームで購入はせず基本的に個人購入となります。従って、購入期間(注文→納品の期間も)についても考慮して大会に備えます。(装着の練習も必要)

スパイクの色が他の選手と異なる場合、その選手は出場不可“という大会もあります。控えの選手がスパイクを忘れて、白いアップシューズでベンチ入りしようとしたところ、”君はベンチ入り出来ません“と審判に言われている光景を目撃したことがあります。これは、監督/コーチにも適用されることがあるので要注意です。(そのため、私のチームのスパイクは無地の真っ黒で選手も指導者も統一しています。)

“スパイクに線がある場合は、その数が他の選手と異なる場合、その選手は出場不可“という大会も過去にありました。”adidas(三本線)“などは全員履くか全員履かないかに統一が必要ということになります。

抽選/結果発表

大会によって、色々な抽選のやり方があります。
一般的なものとしては

  • まず箱の中から番号(抽選順番号)がふってある札を引いて、抽選順をきめる
  • 抽選順番号が若いチームから順番に、本抽選の札を引く

というのが最もオーソドックスな抽選方法です。
ここでは、“各地区から2チーム参加”のような大会では、初戦で同地区同士が対戦しないように予め配慮されていたりします。

開催にあたっての諸注意

大きな大会になればなるほど、複数会場(球場)での開催を余儀なくされます。それぞれにローカルのグランドルールがあるのはもちろんですが、駐車場の利用や喫煙場所など、施設としてのルールもあるので、注意して聴く必要があります。違反者が出た場合、翌年から大会へのグランド貸し出しを断られ、チームとしてもペナルティが課せられる場合があるので、これもチーム内での徹底が必要です。

開会式や1回戦が開催されるグランド周辺の「駐車券」のようなものも、この時渡されることがあります。(2回戦以降は、試合後に勝ちあがったチームのみに渡す)

まとめ

実は、公式戦抽選会には“監督同士の交流の場”という側面もあります。
「お宅の地区のZZチーム。今年強いの?」というような情報交換。
「大会前に一度練習試合お願いしますよ。」というような練習試合のお願い。
ベテラン監督達にとって、抽選会の時点から大会は始まっているのです。

しかし、貴方は監督から出席を任されただけなのですから、粛々と抽選作業をこなしてください。
ただ、数回抽選会に出席する頃には、今度は監督として、よその地区の監督と情報交換しているかもしれませんよ。

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