負けるときのパターンと連敗中・連勝中に取るべき行動

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記事の目次

2017年、プロ野球において読売ジャイアンツがその長い歴史の中で最悪の13連敗を記録しました。
まだ現役続行を希望していた高橋由伸に無理やり監督をやらせたフロントは、監督・コーチ陣へのテコ入れが出来ず、GMの交代という形で責任問題の幕引きを図りました。 
13連敗の顛末をご覧になっていた方は良くわかると思いますが、連敗中というのは本当に『何をやってもうまくいかない』のです。

少年野球でも連敗が続くことがありますが、監督職がボランティアである以上、責任問題にまで発展することはまずありません。
しかし、何とかして勝ちたいという気持ちは、プロ野球と何ら変わりありません。

ここでは、連敗時・連勝時にとるべき行動を中心にお話ししましょう。

連敗時のパターン

2017年の巨人軍は、連敗中の悪いパターンを我々に色々と実証してくれました。

打順が固定できない

1・2番のみならずクリーンアップも固定できず、主力選手も交代で試合を欠場している。2軍から選手を抜擢しても、思うような働きが出来ずにすぐ逆戻り。
打順を変えるという事は、変えられる側の選手に『俺は一体チームから何を求められているのか』という混乱を引き起こし、各自バラバラにプレーをし始めるので繋がりがなく、「打線」という「線」の攻撃にならない。

投手交代のタイミングを間違える

先発投手の交代時期を誤って大やけどをする。リリーフに信用が置けないことから、先発投手がいっぱいいっぱいにもかかわらず、無理に続投させて傷口を広げる。

やることなすこと作戦が裏目に出る

バント、盗塁、ヒットエンドランなど、動いてみた結果がダブルプレーなど最悪の結果になる。その上、悪い時には悪いことが重なり怪我人が出たりする。

選手に元気がなくなる

結果の出ない選手達は、スタメン落ちや2軍落ち、周りからのバッシングを恐れて、どんどん元気がなくなる。

監督・コーチに元気がなくなる

結果の出ない監督・コーチ達も、周りからのバッシングを恐れてどんどん元気がなくなる。その結果ベンチの中は『お通夜』のような状態になり、悲痛な日々が延々と続くことになる。

少年野球の場合、チームがずっと勝てないと子供がどんどん辞めていきます。連敗続きのチームというのは、どんなスポーツでも楽しくないからです。
まして野球の場合、守備では長い時間ずっと守っていなければならないし、攻撃の時はあっという間に3アウトチェンジになってしまう。
そして、チームメートが一人減り二人減りするうちに人数が足りなくなって試合が出来なくなり、最終的にチーム解散や他のチームとの合併という苦渋の選択を迫られるわけです。

連敗時にとるべき行動

当然ですが、私にも監督就任1年目のシーズンがありました。
恥ずかしながら、その年の最初の大会はリーグ戦で1勝も出来ませんでした。他チームとの戦力差はさほどないのに勝てないというのは、明らかに指揮官の責任です。
その時、キャプテンの子にいみじくも言われました。「監督。元気出していきましょうよ。声出しはぼくたちが勝ってましたよ。」

大きな石で、頭をガツンと殴られたようなショックを受けました。
新米監督の私は、勝ちに執着しすぎていました。細かい戦術にこだわり過ぎて、少年野球で最も大事な「楽しさ」をおざなりにしていました。

『大きな声を出して、楽しくやって負けたらしょうがないじゃないか。』
トップの気持ちが一新されたチームは生まれ変わり、次の大会では優勝することが出来ました。

連勝時にとるべき行動

勝ち続けているときは、気分がよいものです。ここで最も重要なことは『スタイルを崩さない』ことです。
調子に乗りすぎて、『完封してやろう』とか『コールドゲームで叩き潰してやろう』など、単純に『勝つ』以外の意識がチーム内に芽生えることは本当に危険です。
これを世間では『油断』といいます。

連勝中には何をやってもうまくいきますが、『油断』から負けた場合に再度元の良い流れを引き戻すには相当の努力が必要になります。
子供の心に空いた『油断』という隙間はなかなか埋まらない、ということをここでは押さえておいてください。

まとめ

『勝って兜の緒を締めよ』
昔の人は、勝負の事も良くわかっていますね。

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