プロとは違う少年野球で勝率を上げるためのセオリー

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記事の目次

プロとは違う少年野球のセオリー

当たり前の話ですが、プロ野球と少年野球とでセオリーは大きく違います。
そもそも、セオリーとは一体何でしょうか?
直訳すれば「理論」となるのでしょうが、私は個人的に「勝つ確率を高める方式、攻め方」と定義しています。
ということで、「少年野球において一般的に語られている勝つ確率を高める方式、攻め方」について説明していきます。

ポイント1:とにかく転がせ

フライを打ち上げると、そのフライが落下する地点にいる野手がよほどヘタクソでない限り、打者はアウトになります。
その点、ゴロを打った場合、内野手の間を抜けてヒットになる可能性に加えて、トンネルする・ファンブル(お手玉)する・暴投する・ファーストがこぼす…など出塁するパターンがプロでも恐ろしく増えます。
その他にも、別項で説明したフィルダースチョイスで出塁することだってあるかもしれません。(「フィルダースチョイス(野選)について」参照)
それらの可能性に加えて、少年野球の野手は未熟でエラーの確率が高いので、指導者はみな「とにかく転がせ」と指導するわけです。このセオリーは、実践できれば確かに勝つ確率を高めると思います。

ポイント2:バットは短く持て

バットを短く持つと、コンパクトに振れるのでミート(バットの芯でボールを捉えること)しやすくなります。
ただし、「てこの原理」でいう力点と作用点の距離が短い分、飛距離は出ません。当然力強い打球も出にくくなります。
逆にバットを長く持つと、当たれば飛距離は出ますが、大きく振ることになるためミートしにくくなります。

小学生の場合、まだ身体も完全にできていない為、スイングアーク(バットのヘッドが描く円弧)が大きくなるとさらにミート率が下がります。
バットを振った後、下半身がぐらぐら動いている子は、基本的に「バットを長く持ちすぎ」ということになります。

私の経験則で言えば、「バットを短く持ったところで、ボールに当たらない子は当たらない」ので、少年野球においてこのセオリーはイマイチかもしれません。

ポイント3:1塁にランナーが出たらまず盗塁を考えよ

プロ野球で盗塁を成功させることが難しいのは、ピッチャーの牽制技術が高いこと+キャッチャーの肩が強いからです。
比べて、小学生の野球はそのどちらもレベルが低いのでどの監督も「走るが勝ち」という結論に達します。

私のチームでは「ノーサインで盗塁してもいい子」(大抵、打順が1番から5番までがそれに該当)を決めてガンガン走ります。
ランナーに対するピッチャーのマークが甘い場合は、3塁への盗塁も認めています。(彼らには、試合の状況を考えてスチールするように言ってあるので、1点勝負の厳しい状況下においてはリスクの方が高いので滅多に走りません。)

攻撃側は点を取る確率が高い作戦

攻撃側については、「点を取る確率が少しでも高くなるような作戦」がセオリーと呼ばれています。

具体的には、ランナー1塁の場合、

  • ノーアウトであればバント。
  • ワンアウトであればヒット・エンドラン。
  • ツーアウトであれば盗塁。

といったところです。

しかし前項で述べたように私のチームでは「走るが勝ち」理論を唱えていますので、全てのチームがこのセオリーを踏襲しているわけでないという点をここでは、おさえてください。

守備側は点を与える確率が低い作戦

守備側については、逆に「点を与える確率が少しでも低くなるような作戦」がセオリーと呼ばれています。

具体的には、ランナー1塁の場合、

  • ノーアウトであれば出塁を警戒する。特にフォアボールはダメ。
  • ワンアウトであれば中間守備の位置をとる。
  • ツーアウトであれば長打を警戒して外野は深めに守る。

となるでしょう。

またノーアウト、ワンアウトでランナーが3塁にいて、相手に1点もやれない場合は前進守備ということになります。
内野手は捕ったらすぐさまバックホーム(出来る体勢をとる)ということです。

まとめ

ここでは、少年野球において一般的に語られている「勝つ確率を高める方式、攻め方」についてお話しましたが、自チームの戦力状況、相手チームの戦力状況、各選手の調子、インスピレーション、監督自身の体調…などその他様々なファクターによって指揮官の選ぶ作戦は変化し、時として「セオリー無視だ」と保護者から揶揄されることさえあります。
総括すれば、「少年野球にセオリーはない」とまとめたほうが解りやすいでしょう。

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